平凡なアイデアしか出せない理由と解決方法【3】切り口が少ない
「なぜ、平凡なアイデアしか出せないのか?」の2回目は、理由2「今までの惰性(だせい)で考える」とその解決方法を説明しました。
3回目の今回(最終回)は、理由3「発想の切り口が少ない」とその解決方法を説明します。
理由3「発想の切り口が少ない」
1回目と2回目では「平凡なアイデアしか出せない理由」として、次の2つを考えました。
- 理由1「自分にはできないと思い込む」
- 理由2「今までの惰性(だせい)で考える」
この2つは、主に「心理的な理由」です。
今回は「テクニック的な理由」として、理由3「発想の切り口が少ない」について考えたいと思います。
また、ここでは、アイデア発想会でのシーン(場面)を使って説明したいと思います。よくありそうなシーンを選びました。ご自身が、そのシーンの中にいる(アイデア発想会に参加している)ことをイメージ(想像)しながら読み進めていただくと面白いと思います。
ではまず次のようなシーン(場面)をイメージ(想像)してください。
【シーン】
- ご自身が、あるアイデア発想会に参加しています。
- そこで、「様々な切り口を使って発想してください」との指示を受けました。
皆さんなら、どうしますか?
まずは「切り口って何?」となるかも知れませんね。切り口とは、一般的には「モノを切った面、断面」のことです。
次に「切り口を様々にするには、どうしたらいいの?」という質問がでるかも知れません。
ここで、切り口を増やすための簡単な方法をご紹介します。例えば、コーヒー缶のような「円筒(円柱)形のもの」を様々な方向から切る場合を考えましょう。
(A) まず図2のように、水平(横)方向に切ります。すると、その切り口(断面)は円形になります。
(B) 次に図3のように、垂直(縦)方向に切ります。すると、その切り口は長方形になります。
(C) さらに図4のように、斜め方向に切ります。すると、その切り口は楕円(だえん)形となります。
このように、同じ形(円筒形)のものでも、切り口を変える(切り方を変える)だけで3種類の断面の形が得られます。
しかし、アイデア発想会が行われる場所(一般的には会議室や研修室など)で、「実際にモノを切る」のは大変です。そのためアイデア発想会では、実際に切る(切り方を変える)のではなく、「モノの見方を変える」ことおすすめします。
そのための一つの方法は、「見る方向を変える」という方法です。例えば、次のように見る方向を変えていきます。
- (A) まず、上から見る
- (B) 次に、横から見る
- (C) さらに、斜め方向から見る
「いつもと同じ方向だけではなく、いつもと違う方向から見てみよう」とか、「もっと様々な方向から見てみよう」というように考え方を変えるだけで、様々な見方(見え方)ができると思います。見る方向を変える、つまり、モノの見方を変えることで、そのモノの様々な特徴(面)を見つけることができます。
「見る方向を変えるだけで、そのモノの様々な特徴を見つけることができる」というのは、実は「当たり前のこと」です。しかし実際には、この「当たり前のこと」が行えないケースが多いようです。
モノゴトを「ある決まった方向からだけ」見てしまうというケースです。その結果、「柔軟な発想ができない!」、「頭が固い!」となってしまうのです。
理由3「発想の切り口が少ない」については以上です。
理由3の解決方法
理由3の「発想の切り口が少ない」は、テクニック的な理由です。そのため解決方法としては、「テクニックを補うためのツールを使うこと」が効果的です。
ただ、理由3では、モノゴトをある決まった方向だけから見てしまうことで、「柔軟な発想ができない!」、「頭が固い!」となってしまうケースもありました。このケースは、心理的なものと言えますが、根本的にはテクニックが不足していることから生じたものです。
従って、このケースでも、テクニックを補うためのツールを使うことで問題が解消されると思います。
では、どのようなツールを使えばよいでしょうか?
ツールとは、一般的には「道具、工具」といった意味ですが、ここでは「何かを行うときに助け(支援)になるもの」という意味で使います。
またツールは「高性能であればそれで良い」という訳ではありません。たとえ高性能であっても、使いにくいとか、慣れるまでに時間がかかるものでは効果は期待できません。そのため、ここで使うツールには、次の3つの条件を満足できるものが良いと思います。
- (1) 簡単
- (2) すぐに使える
- (3) 成果を出せる
これらの条件に合うツールを順にご紹介します。
40の発明原理
まず「(3) 成果を出せる」という点では、TRIZの発明原理は、その条件を満たしているといえます。なぜなら、発明原理は「先人が様々な問題を解決してきた知恵」が集められたものだからです。
(※詳しくは以下のブログ記事をご覧ください。)
では、「(1)簡単、(2)すぐに使える」については、どうでしょうか?
発明原理は、40の発明原理の一覧表(表1)のように、簡単な形で整理されていますので、使いやすくまとめられています。
ただ40の発明原理は表現が難しいところもあります。また、原理の意味を直感的に理解するためには、適切な事例も必要だと思います。
これらの点を補うために、次の2つのツールをつくりました。
発明原理コレクション(キンドル本)
自著『発明原理コレクション』では、発明原理を簡単な表現にしています。また、カラーイラストの事例を多く使用して分かりやすくしています。
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ひらめきのパターン集(キンドル本)
自著『ひらめきのパターン集』は、さらに簡単でコンパクトにした内容になっていますので、「(1)簡単、(2)すぐに使える、(3)成果を出せる」という3つの条件を満足できると思います。
- 青戸けい『【ひらめきのパターン集】知っているだけでも違いがでる「22のパターン」』キンドル本、2019年
その内容を一部紹介させていただきます。表2は、ひらめきのパターン集の一部を抜粋したものです。
ひらめきのパターン集は、表2のように、グループ、メインパターン、サブパターンの3種類で構成されています。
矢印の向きに進むにつれて具体的になっていきます。
右向き矢印では、「グループ→メインパターン→サブパターン」と進むにつれて、より具体的になっていきます。
下向き矢印では、メインパターンごとに「a→b→c」と進むにつれて、より具体的になっていきます。
ひらめきのパターン集の全体では、以下の通りです。
- グループは、3つ(A~C)あります
- メインパターンは、8つ(【01】~【08】)あります
- サブパターンは、22([01a]~[08b])あります
これらを使うことで、発想の切り口を増やすことができます。
「メインパターン」や「サブパターン」ではパターン(型)を用いています。
複雑なことを行うときに、それらをパターン(型)にすれば分かりやすくなります。「問題を解決する際の、ものの見方や考え方」といった複雑なものを、「いくつかのパターン(型)」にして分かりやすくしました。
図5のように、それらのパターンを簡単な言葉で表現しています。シンプルなイメージ図を付けることで、視覚的にも分かりやすくしています。
図6は、「【01】部分に分けよう!」パターン(図5)の事例イラストです。全てのパターンにカラーの事例イラストを付けました。これらが「直感的な理解」を助けてくれます。
ひらめきのパターン集(kindle本)の紹介は以上です。「簡単に取り組みたい」という方は、こちらの書籍をお読みいただければと思います。
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ウェブサイト
以下のブログで単独の「ひらめきのパターン」を順に公開しています。
また、次のSNSでも公開しています。(無料です)
こちらも参考にしてください。
まとめ
ご紹介した内容を、お手軽(取り組みが簡単)な順に並べると、以下の(a)~(d)の順になります。
※「(d)40の発明原理」については、以下の記事の「理由1の解決方法」をご覧ください。その記事の中で「発明原理はどこにあるか?」について説明しています。
また読者の方のニーズ(ご要望)という観点からは、次のようになると思います。
- まずは、お気軽に見たい場合 →上記 (a)
- ひらめきのパターンをまとめてみたい場合→上記(b)
- 40の発明原理を全て知りたい場合→上記(c)、(d)
読者の方のご要望や状況(かけられる時間など)に合わせてお選びください。(当然、私の書籍以外の選択肢もあると思います)
理由3(発想の切り口が少ない)の解決方法は、「(1)簡単、(2)すぐに使える、(3)成果を出せる」ツールを用いることです。
読者の方のニーズに合ったツールを見つける際に、本記事がご参考になれば幸いです。
書籍(キンドル本)のご紹介
「なぜ、平凡なアイデアしか出せないのか?」について、【3つの理由と解決方法】を1冊にまとめた以下の書籍を出版しています。
この書籍では、3つの理由を心理的な理由とテクニック的な理由に分けて解説しています。
そして、それぞれの理由の解決方法と「どのようなツール(助けになるもの)を使えば効果的か」について説明しています。
また、3つの解決方法に、どのように取り組めばよいかも説明しています。無理なく行動に移すためには、「ステップに分けて取り組む」方法が効果的です。次の2つのステップに分けることで、無理なく取り組むことができる方法をご紹介しています。
- ステップ1:心理的な解決ステップ
- ステップ2:テクニック的な解決ステップ
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【目次】
- 第1章 平凡なアイデアしか出せない理由
- 第2章 解決方法
- 第3章 どのように取り組めばよいか
よろしければ、ご参考にしてください。
平凡なアイデアしか出せない理由と解決方法【2】今までの惰性(だせい)
「なぜ、平凡なアイデアしか出せないのか?」の1回目は、理由1「自分にはできないと思い込む」とその解決方法を説明しました。
2回目の今回は、理由2「今までの惰性(だせい)で考える」とその解決方法を説明します。
理由2「今までの惰性(だせい)で考える」
ここでは、アイデア発想会でのシーン(場面)を使って説明したいと思います。よくありそうなシーンを選びました。ご自身が、そのシーンの中にいる(アイデア発想会に参加している)ことをイメージ(想像)しながら読み進めていただくと面白いと思います。
ではまず次のようなシーン(場面)をイメージ(想像)してください。
【シーン】
柔軟とは「柔らかく、しなやかなこと」または「様々な状況に対応できること」という意味ですので、この指示は次のように言い換えることができます。
「頭を柔らかく、しなやかにして、様々な方法で発想してください」
皆さんなら、どうしますか?
「いきなり、そんなことを言われても…」とか、「今までは、こんなふうにしか考えてこなかった」となってしまうかも知れませんね。
私たちはアイデアを考える際に、次のような傾向を示してしまうことがあります。
- 「今までそうしていたから → これからもそうしよう」
- 「みんながそうしているから → 私もそうしよう」
「今までの惰性(だせい)で考える」とは、このような傾向を示してしまうことです。惰性とは「今までの流れの勢い、習慣」という意味です。「今までの流れの勢い」に乗ってものごとを行うのは楽ですし、効率的かも知れません。しかし、柔軟に発想したい場合は、そのような惰性はマイナスに働いてしまいます。
なぜ、マイナスに働くのでしょうか?
今までの惰性で考えると、一方通行(一定の方向だけ)で考えることになります。また、柔軟にするとは、「今まで固定されて動けなかったものを、自由に動けるようにする」ことでもあります。一方通行(一定の方向だけ)で考えていたのでは、自由に動けるようにはなりません。
このため、柔軟に発想したい場合は、今までの惰性で考えることはマイナスに働くといえます。
※理由2「今までの惰性(だせい)で考える」については、参考文献(1)の『3.3心理的惰性』を参考にしました。*1
理由2の解決方法
理由2の「今までの惰性(だせい)で考える」とは、次のように考えてしまう傾向のことです。
- 「今までそうしていたから → これからもそうしよう」
- 「みんながそうしているから → 私もそうしよう」
それで、このように考えてしまう傾向を避けることが、理由2を克服する方法です。
どうすれば、この傾向を避けることができるでしょうか?
惰性とは「今までの流れの勢い、習慣」です。今までの流れの勢いに乗って考えてしまう傾向は誰にでもあると思います。そのため、このように考えてしまう傾向が(自分にも)あるということを、常に意識しておく必要があります。
常に意識している、つまり、その傾向に気を付けておくことが、最初に必要なことです。
次に必要なことは、「今までの惰性で考える」という考え方を、どのような考え方に変えれば良いか(効果があるか)を知ることです。
ここで使えるのが、40の発明原理の13番目の「逆発想」です。この原理では「思い切って、今までと逆のことをしてみよう」と考えます。例えば、「従来や通常の反対を行ってみよう」というようにです。
表1の「逆発想」では、左側の「従来や通常の考え方」を、右側の「新しい考え方」に変えています。
Aでは、「今まで〇〇していた、それで、これからも〇〇しよう」という「従来や通常の考え方」を、「今までは〇〇していた、しかし、これからは〇〇の反対をしよう」という「新しい考え方」に変えています。
Bでは、「みんなが△△している、それで、私も△△しよう」を、「みんなは△△している、しかし、私は△△の反対をしよう」に変えています。
今までとは反対のことを行ったり、みんなとは(または普通とは)反対のことを行うには相当の勇気や覚悟が必要です。しかしここでは、いきなり「実行しましょう」と言っているわけではありません。まずは「反対のことを考えてみましょう」というだけです。
[注記]
「反対のことを考えてみる」ことと「それを実行する」ことは全く異なります。両者の間には次のステップがあります。
考えたアイデアを実際に実行するまでには、これらのステップがあることを知っておくことは大切です。
(1)の時点では「(2)や(3)のことは気にせず」自由にのびのびとアイデアを考えることをおすすめします。そうすることが、斬新な(その発想が、きわだって新しい)アイデアを生み出すことにつながっていくと思います。
[注記おわり]
表1の逆発想を行うのは、(1)(アイデアの発想)の段階です。
この段階では、後の(2)(アイデアの評価)や(3)(アイデアの実行)のことは気にせず、自由な発想を行うことがポイントです。
以上を整理すると、次のようになります。
【理由2(今までの惰性で考える)の解決方法】
- 「今までの惰性で考えてしまう傾向がある」ことを常に意識する
- そのような傾向を避け、「今まで/通常と反対のことを考えてみる」(逆発想を行う)
- 逆発想を行う時は、後のこと(アイデアの評価やアイデアの実行)は気にせず、自由な発想を行う
「平凡なアイデアしか出せない」理由2と、その解決方法の説明は以上です。
次回は、理由3「発想の切り口が少ない」とその解決方法を説明します。
書籍(キンドル本)のご紹介
「なぜ、平凡なアイデアしか出せないのか?」について、【3つの理由と解決方法】を1冊にまとめた以下の書籍を出版しています。
この書籍では、3つの理由を心理的な理由とテクニック的な理由に分けて解説しています。
そして、それぞれの理由の解決方法と「どのようなツール(助けになるもの)を使えば効果的か」について説明しています。
また、3つの解決方法に、どのように取り組めばよいかも説明しています。無理なく行動に移すためには、「ステップに分けて取り組む」方法が効果的です。
次の2つのステップに分けることで、無理なく取り組むことができる方法をご紹介しています。
- ステップ1:心理的な解決ステップ
- ステップ2:テクニック的な解決ステップ
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【目次】
- 第1章 平凡なアイデアしか出せない理由
- 第2章 解決方法
- 第3章 どのように取り組めばよいか
よろしければ、ご参考にしてください。
*1:参考文献(1)Darrell Mann『TRIZ 実践と効用 (1) 体系的技術革新』中川 徹 監訳、株式会社 創造開発イニシアチブ、2004年
平凡なアイデアしか出せない理由と解決方法【1】思い込み
アイデア発想会(みんなで集まってアイデアを考えようという会)で、「平凡なアイデアしか出せない」という悩みを聞くことがあります。
「出されたアイデアは平凡なもの、これといったすぐれた特色もなく、誰でも考えつきそうなものばかりだった」という経験を聞くこともあります。
なぜ、平凡なアイデアしか出せないのでしょうか?
主な理由として、次の3つが考えられます。
- 理由1:「自分にはできない」と思い込む
- 理由2:今までの惰性(だせい)で考える
- 理由3:発想の切り口が少ない
3回にわけて、3つの理由とそれぞれの解決方法を説明していきたいと思います。
1回目の今回は、平凡なアイデアしか出せない理由1とその解決方法を説明します。
理由1「自分にはできないと思い込む」
ここでは、アイデア発想会でのシーン(場面)を使って説明したいと思います。よくありそうなシーンを選びました。ご自身が、そのシーンの中にいる(アイデア発想会に参加している)ことをイメージ(想像)しながら読み進めていただくと面白いと思います。
ではまず次のようなシーン(場面)をイメージ(想像)してください。
【シーン】
斬新とは「その発想が、きわだって新しい」という意味です。「斬新なアイデアを考えて」と言われると、「すごいアイデアを要求されている」感じがするかもしれません。
そのため、その言葉を聞いて「そんな難しいことは自分にはできない」とか、「それは自分には無理だ」と考えてしまう人が多いのではないかと思います。このように考えてしまうことが、「自分にはできないと思い込む」ということです。
つまり、与えられた課題に対して、次のように考えてしまう(思い込んでしまう)ことです。
- 「そんな難しいことは自分にはできない」
- 「そんなの自分には無理だ(不可能だ)」
要求されているアイデアのレベルが、自分にとって難しくないと思われる場合は、このような思い込みは生じないかも知れません。
しかし、アイデア発想会では、「斬新なアイデア」、「画期的なアイデア」といった「すごいアイデアを要求する(連想させる)」言葉がよく出てくると思います。そのため、やはり「自分にはできないと思い込む」ことが多くなると思います。
人(の頭脳)は、一度「自分にはできない/無理だ」と考えてしまうと、それより先に進めなくなってしまう、つまり、それ以上考えようとしなくなるようです。
その結果、「斬新なアイデアなど、自分に考えられるわけがない」となり、さらには「自分が出せるアイデアは(これといったすぐれた特色もない)平凡なものだけだ」と思い込んでしまうようになります。
※理由1「自分にはできないと思い込む」については、参考文献(1)の『第13章 第一の心理的障壁』を参考にしました。*1
理由1の解決方法
理由1の「自分にはできないと思い込む」ことに対しては、TRIZの発明原理という(とても優れた)ものがあることを知るだけでも効果があります。
TRIZとは、日本語でいうと「発明問題の解決理論」となります。つまり「様々な問題を解決するための理論」のことです。
発明原理とは簡単にいうと「問題の解決パターンをまとめたもの」で、膨大な特許調査などを行い作り上げられました。つまり「先人が様々な問題を解決してきた知恵」が集められたものです。
多くの特許調査と研究の結果、問題の解決方法には、いくつかのパターンがあることが発見されました。その各パターンに名称をつけ、整理したものが発明原理です。全部で40のパターンがあり、40の発明原理と呼ばれています。表1は、その一覧です。(参考文献(1)~(3)より)*2
難しい(と思われる)課題を目の前にして、「自分にはできない/無理だ」と考えてしまいそうな時は、次のように考えましょう。
「自分の知識や経験だけでは無理でも、優秀な先人たちの知恵を使えば(つまり発明原理を使えば)可能になる」
頭脳は、積極的(前向き)に考えることで活性化すると言われています。「発明原理を使えば、難しい課題でも何とかなる」と前向きに考えることで、「自分にはできないと思い込む」ことを克服しましょう。
では、発明原理はどこにあるのでしょうか?
どのような書籍や資料を見ればよいのでしょうか?
書籍については、発明原理だけを扱った書籍もありますが、「TRIZ関連の書籍」の中で「発明原理」や「40の発明原理」といった形で紹介(解説)されている場合が多いと思います。
それらをご覧になる場合は、本記事の「40の発明原理の一覧(表1)」を参考にしていただければと思います。
それらの書籍での発明原理の名称(1分割、2分離、…)は、表1の名称と異なる場合もありますが、基本的な並び順(番号順)はあまり変わらないと思います。
自著『アイデア発想に役立つ「発明原理コレクション」オールカラーのイラストで分かる!』(参考文献(4))もご参考にしていただければ幸いです。*3
この書籍では、全ての発明原理に「事例のイラスト(カラー)」を付けて、分かりやすく説明しています。
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また発明原理は、様々なウェブサイト(ホームページ)でも紹介(解説)されています。お手軽に調べたい場合は、インターネットで検索されると良いかもしれません。
以上を整理すると、次のようになります。
【理由1(自分にはできないと思い込む)の解決方法】
- 「自分には、平凡ではないアイデア(斬新なアイデアなど)を考え出すことはできない」という思い込みを克服する。そのために、発明原理というものがあることを知る
- 「自分の知識や経験だけでは無理でも、発明原理を使えば可能になる」と前向きに考える
- 積極的(前向き)に考えることで、頭脳を活性化させる
人は「(自分には)できない」と思い込むと、実際にもできなくなってしまうようです。
しかし他の誰かができている様子を見ると、「(自分にも)できるかもしれない」と積極的に考えることができます。そうすると、それまでできないと思いこんでいたことが、できるようになる場合があります。
発明原理は、他の誰かが問題を解決した(できた)パターンを集めたものです。
そのパターンや事例を見て、
「なるほど、こうすれば良いのか!」
「それなら、自分はこうしよう!」
というように積極的(前向き)に考えることができれば、頭脳が活性化して、良いアイデアが思い浮かぶかもしれません。
(斬新なアイデアを考え出すといった)それまでできないと思いこんでいたことが、できるようになるかもしません。
そのためにも発明原理という「優秀な先人たちの知恵を集めたもの」があることを知り、積極的に使ってみることをおすすめします。
「平凡なアイデアしか出せない」理由1と、その解決方法の説明は以上です。
次回は、理由2「今までの惰性(だせい)で考える」とその解決方法を説明します。
書籍(キンドル本)のご紹介
「なぜ、平凡なアイデアしか出せないのか?」について、【3つの理由と解決方法】を1冊にまとめた以下の書籍を出版しています。
この書籍では、3つの理由を心理的な理由とテクニック的な理由に分けて解説しています。
そして、それぞれの理由の解決方法と「どのようなツール(助けになるもの)を使えば効果的か」について説明しています。
また、3つの解決方法に、どのように取り組めばよいかも説明しています。無理なく行動に移すためには、「ステップに分けて取り組む」方法が効果的です。次の2つのステップに分けることで、無理なく取り組むことができる方法をご紹介しています。
- ステップ1:心理的な解決ステップ
- ステップ2:テクニック的な解決ステップ
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【目次】
- 第1章 平凡なアイデアしか出せない理由
- 第2章 解決方法
- 第3章 どのように取り組めばよいか
よろしければ、ご参考にしてください。
発想力とは何か?
「発想力アップ」ブログのテーマは「知識から能力へ」です。
正確には「知識だけから『知識+能力』へ」となります。
本ブログでは、『+能力』のところを扱います。
その能力の中でも、主に発想力を取り上げたいと思います。
発想力とは何か?
まず「発想力とは何か?」を考えましょう。
言葉が少し難しいと感じる場合は、分けて考えるとわかりやすいです。
(ひらめきのパターン【01】部分に分けよう!の応用です)*1
発想力という言葉を、発想と力に分けて考えます。
発想には、次のような意味があります。
- 考え出す
- 思いつく
- 考えを展開する
- 形にする
また力については、「〇〇力」と表現される場合には、次のような意味になります。
- 〇〇する(できる)能力
言葉が難しい場合は、一度分けてから、あらためて組み合わせるとわかりやすくなります。
発想力の場合は、分けたものを組み合わせると、次のようになります。
- 考え出す能力
- 思いつく能力
- 考えを展開する能力
- 形にする能力
発想力が、上記の1.~4.のような能力なら、仕事や勉強を行う上で、さらには生活する上でも、是非身に着けたい能力ですね。
発想力をアップさせる方法
本ブログでは、発想力をアップさせる方法をご紹介していきたいと思います。
順序としては、まず次の(1)や(2)をアップさせる方法をご紹介していきます。
- (1) 考え出す能力
- (2) 思いつく能力
また、次の(3)や(4)をアップさせる方法についてもご紹介していきたいと考えています。(※少し時間がかかるかも知れません。)
- (3) 考えを展開する能力
- (4) 形にする能力
よろしくお願いします。
*1:ひらめきのパターンについては以下のブログ記事をご覧ください。
「発想力アップ」ブログをはじめました
青戸けいです。
発想力アップというタイトルのブログをはじめました。
「知識から能力へ」をテーマにしたブログです。
発想力をアップさせるには、「知識だけ」ではなく「様々な能力も」必要になります。
当然、知識は必要ですので、テーマを正確に書くと「知識だけから『知識+能力』へ」となります。
本ブログでは、『+能力』のところを扱いたいと思います。
コメントなど、いただければうれしく思います。
よろしくお願いします。