発想力アップ

知識から能力へ

平凡なアイデアしか出せない理由と解決方法【3】切り口が少ない

f:id:K_Contents:20191104160620j:plain

なぜ、平凡なアイデアしか出せないのか?

「なぜ、平凡なアイデアしか出せないのか?」の2回目は、理由2「今までの惰性(だせい)で考える」とその解決方法を説明しました。

3回目の今回(最終回)は、理由3「発想の切り口少ない」とその解決方法を説明します。

f:id:K_Contents:20191104164010j:plain

図1.平凡なアイデアしか出せない3つの理由

理由3「発想の切り口が少ない」

1回目と2回目では「平凡なアイデアしか出せない理由」として、次の2つを考えました。

  • 理由1「自分にはできないと思い込む」
  • 理由2「今までの惰性(だせい)で考える」

この2つは、主に「心理的な理由」です。

今回は「テクニック的な理由」として、理由3「発想の切り口少ない」について考えたいと思います。

また、ここでは、アイデア発想会でのシーン場面)を使って説明したいと思います。よくありそうなシーンを選びました。ご自身が、そのシーンの中にいる(アイデア発想会に参加している)ことをイメージ想像)しながら読み進めていただくと面白いと思います。

ではまず次のようなシーン(場面)をイメージ(想像)してください。

【シーン】

  • ご自身が、あるアイデア発想会に参加しています。
  • そこで、「様々な切り口を使って発想してください」との指示を受けました。

皆さんなら、どうしますか?

まずは「切り口って何?」となるかも知れませんね。切り口とは、一般的には「モノを切った面、断面」のことです。

次に「切り口を様々にするには、どうしたらいいの?」という質問がでるかも知れません。

ここで、切り口を増やすための簡単な方法をご紹介します。例えば、コーヒー缶のような「円筒(円柱)形のもの」を様々な方向から切る場合を考えましょう。

(A) まず図2のように、水平(横)方向に切ります。すると、その切り口(断面)は円形になります。

f:id:K_Contents:20191104181331j:plain

図2.水平(横)方向に切る

(B) 次に図3のように、垂直(縦)方向に切ります。すると、その切り口は長方形になります。

f:id:K_Contents:20191104181524j:plain

図3.垂直(縦)方向に切る

(C) さらに図4のように、斜め方向に切ります。すると、その切り口は楕円(だえん)となります。

f:id:K_Contents:20191104181645j:plain

図4.斜め方向に切る

このように、同じ形(円筒形)のものでも、切り口を変える(切り方を変える)だけで3種類の断面の形が得られます。

しかし、アイデア発想会が行われる場所(一般的には会議室や研修室など)で、「実際にモノを切る」のは大変です。そのためアイデア発想会では、実際に切る(切り方を変える)のではなく、「モノの見方変える」ことおすすめします。

そのための一つの方法は、「見る方向を変える」という方法です。例えば、次のように見る方向を変えていきます。

  • (A) まず、上から見る
  • (B) 次に、横から見る
  • (C) さらに、斜め方向から見る

「いつもと同じ方向だけではなく、いつもと違う方向から見てみよう」とか、「もっと様々な方向から見てみよう」というように考え方を変えるだけで、様々な見方(見え方)ができると思います。見る方向を変える、つまり、モノの見方を変えることで、そのモノの様々な特徴)を見つけることができます。

「見る方向を変えるだけで、そのモノの様々な特徴を見つけることができる」というのは、実は「当たり前のこと」です。しかし実際には、この「当たり前のこと」が行えないケースが多いようです。

モノゴトを「ある決まった方向からだけ」見てしまうというケースです。その結果、「柔軟な発想ができない!」、「頭が固い!」となってしまうのです。

理由3「発想の切り口が少ない」については以上です。

理由3の解決方法

理由3の「発想の切り口が少ない」は、テクニック的な理由です。そのため解決方法としては、「テクニックを補うためのツールを使うこと」が効果的です。

ただ、理由3では、モノゴトをある決まった方向だけから見てしまうことで、「柔軟な発想ができない!」、「頭が固い!」となってしまうケースもありました。このケースは、心理的なものと言えますが、根本的にはテクニックが不足していることから生じたものです。

従って、このケースでも、テクニックを補うためのツールを使うことで問題が解消されると思います。

では、どのようなツールを使えばよいでしょうか?

ツールとは、一般的には「道具、工具」といった意味ですが、ここでは「何かを行うときに助け(支援)になるもの」という意味で使います。

またツールは「高性能であればそれで良い」という訳ではありません。たとえ高性能であっても、使いにくいとか、慣れるまでに時間がかかるものでは効果は期待できません。そのため、ここで使うツールには、次の3つの条件を満足できるものが良いと思います。

  • (1) 簡単
  • (2) すぐに使える
  • (3) 成果を出せる

これらの条件に合うツールを順にご紹介します。

40の発明原理

まず「(3) 成果を出せる」という点では、TRIZの発明原理は、その条件を満たしているといえます。なぜなら、発明原理は「先人が様々な問題を解決してきた知恵」が集められたものだからです。
(※詳しくは以下のブログ記事をご覧ください。)

k-contents.hatenablog.com

では、「(1)簡単、(2)すぐに使える」については、どうでしょうか?

発明原理は、40の発明原理の一覧表(表1)のように、簡単な形で整理されていますので、使いやすくまとめられています。

f:id:K_Contents:20191104183339j:plain

表1.40の発明原理

ただ40の発明原理は表現が難しいところもあります。また、原理の意味を直感的に理解するためには、適切な事例も必要だと思います。

これらの点を補うために、次の2つのツールをつくりました。

発明原理コレクション(キンドル本)

自著『発明原理コレクション』では、発明原理を簡単な表現にしています。また、カラーイラスト事例を多く使用して分かりやすくしています。

  • 青戸けい『アイデア発想に役立つ「発明原理コレクション」オールカラーのイラストで分かる!』キンドル本、2018年

◆商品ページ(Amazon)はコチラです

https://amzn.to/2C8V8lH

ひらめきのパターン集(キンドル本)

自著『ひらめきのパターン集』は、さらに簡単コンパクトにした内容になっていますので、「(1)簡単、(2)すぐに使える、(3)成果を出せる」という3つの条件を満足できると思います。

  • 青戸けい『【ひらめきのパターン集】知っているだけでも違いがでる「22のパターン」』キンドル本、2019年

その内容を一部紹介させていただきます。表2は、ひらめきのパターン集の一部を抜粋したものです。 

f:id:K_Contents:20191104184302j:plain

表2.ひらめきのパターン集(一部の抜粋)

 ひらめきのパターン集は、表2のように、グループメインパターンサブパターンの3種類で構成されています。

矢印の向きに進むにつれて具体的になっていきます。

右向き矢印では、「グループ→メインパターン→サブパターン」と進むにつれて、より具体的になっていきます。

下向き矢印では、メインパターンごとに「a→b→c」と進むにつれて、より具体的になっていきます。

ひらめきのパターン集の全体では、以下の通りです。

  • グループは、3つ(A~C)あります
  • メインパターンは、8つ(【01】~【08】)あります
  • サブパターンは、22([01a]~[08b])あります

これらを使うことで、発想の切り口を増やすことができます。

「メインパターン」や「サブパターン」ではパターン(型)を用いています。

複雑なことを行うときに、それらをパターン(型)にすれば分かりやすくなります。「問題を解決する際の、ものの見方考え方」といった複雑なものを、「いくつかのパターン(型)」にして分かりやすくしました。

図5のように、それらのパターンを簡単な言葉で表現しています。シンプルイメージ図を付けることで、視覚的にも分かりやすくしています。

f:id:K_Contents:20191104185842j:plain

図5.パターンとイメージ図

図6は、「【01】部分に分けよう!」パターン(図5)の事例イラストです。全てのパターンカラーの事例イラストを付けました。これらが「直感的な理解」を助けてくれます。

f:id:K_Contents:20191104190040j:plain

図6.事例イラストの例

ひらめきのパターン集(kindle本)の紹介は以上です。「簡単に取り組みたい」という方は、こちらの書籍をお読みいただければと思います。

◆商品ページ(Amazon)はコチラです

https://amzn.to/2qfPX0L

f:id:K_Contents:20191104190456j:plain

書籍(キンドル本)

 

ウェブサイト

以下のブログで単独の「ひらめきのパターン」を順に公開しています。

k-contents.hatenablog.com

また、次のSNSでも公開しています。(無料です)

  • YouTubeの動画チャンネル「発想力向上プログラム」
  • Facebookページ「発想力向上プログラム」(動画もあります)

こちらも参考にしてください。

まとめ

ご紹介した内容を、お手軽(取り組みが簡単)な順に並べると、以下の(a)~(d)の順になります。

  • (a) 上記ブログ(ひらめきのパターン)や上記のSNS
  • (b)『ひらめきのパターン集』(キンドル本)
  • (c)『発明原理コレクション』(キンドル本)
  • (d) 40の発明原理(他の著作者の書籍)

※「(d)40の発明原理」については、以下の記事の「理由1の解決方法」をご覧ください。その記事の中で「発明原理はどこにあるか?」について説明しています。

hassou-up.hateblo.jp

また読者の方のニーズ(ご要望)という観点からは、次のようになると思います。

  • まずは、お気軽に見たい場合 →上記 (a)
  • ひらめきのパターンをまとめてみたい場合→上記(b)
  • 40の発明原理を全て知りたい場合→上記(c)、(d)

読者の方のご要望や状況(かけられる時間など)に合わせてお選びください。(当然、私の書籍以外の選択肢もあると思います)

理由3(発想の切り口が少ない)の解決方法は、「(1)簡単、(2)すぐに使える、(3)成果を出せる」ツールを用いることです。

読者の方のニーズに合ったツールを見つける際に、本記事がご参考になれば幸いです。

書籍(キンドル本)のご紹介

「なぜ、平凡なアイデアしか出せないのか?」について、【3つの理由と解決方法】を1冊にまとめた以下の書籍を出版しています。

  • 青戸けい『なぜ、平凡なアイデアしか出せないのか?【3つの理由と解決方法】』キンドル本、2019年

この書籍では、3つの理由心理的な理由テクニック的な理由に分けて解説しています。
そして、それぞれの理由の解決方法と「どのようなツール(助けになるもの)を使えば効果的か」について説明しています。
また、3つの解決方法に、どのように取り組めばよいかも説明しています。無理なく行動に移すためには、「ステップに分けて取り組む」方法が効果的です。次の2つのステップに分けることで、無理なく取り組むことができる方法をご紹介しています。

  • ステップ1:心理的な解決ステップ
  • ステップ2:テクニック的な解決ステップ

◆商品ページ(Amazon)はコチラです

https://amzn.to/2pxAMjw

f:id:K_Contents:20191105112622j:plain

書籍(キンドル本)

【目次】

  • 第1章  平凡なアイデアしか出せない理由
  • 第2章  解決方法
  • 第3章  どのように取り組めばよいか

よろしければ、ご参考にしてください。